秋の訪れとともに、美しい紅葉を求めて多くの人が奈良を訪れます。
歴史ある寺社や自然豊かな山々が点在する奈良は、紅葉の名所が数多く存在し、その見頃を迎える時期もエリアによって異なります。
この記事では、奈良の紅葉が「いつから」色づき始めて「いつまで」楽しめるのか、見頃の目安やおすすめスポットを紹介します。
また、混雑を避けてゆったり鑑賞できる紅葉穴場の情報もあわせて掲載しています。
奈良ならではの紅葉風景を満喫するための参考に、ぜひ最後までご覧ください。
- 奈良の紅葉が色づき始める時期の目安
- エリアごとの紅葉の見頃時期
- 早く紅葉が見られるスポットや地域の特徴
- 混雑を避けられる紅葉穴場スポットの情報
奈良の紅葉いつからいつまで?見頃情報

- いつから色づき始める?
- いつまで楽しめる?
- 10月下旬に見頃のスポット
- 11月に見頃のスポット
- 12月に見頃のスポット
いつから色づき始める?
奈良の紅葉は例年、10月下旬から徐々に色づき始めます。
これは気温が下がり始めるタイミングと一致しており、特に山間部や標高の高いエリアから先に見頃を迎える傾向があります。
たとえば、吉野路エリアにある「大台ヶ原」や「みたらい渓谷」などは10月20日前後から色づきが進みます。
具体的なスポットとしては、以下のような場所が10月下旬に色づき始めるポイントとして知られています。
- 大台ヶ原:標高1,500mを超える高地で、一足早く秋の訪れを感じられます。
- みたらい渓谷:澄んだ渓流と紅葉のコントラストが美しく、ハイキングに人気です。
- 吉野山(上千本エリア):広範囲に紅葉が広がり、10月末から徐々に染まり始めます。
一方で、奈良市中心部や盆地のエリアは比較的暖かいため、色づき始めるのは11月に入ってからです。
気象条件によって若干前後することもあるため、事前に紅葉情報をチェックしてから訪れると安心です。
いつまで楽しめる?
奈良の紅葉はスポットによって異なりますが、例年12月上旬まで楽しめます。
理由として、奈良県内は南北に長く、標高差のある地形が広がっているため、紅葉のピーク時期にばらつきがあることが挙げられます。
そのため、早い場所では10月中旬から、遅い場所では12月上旬まで紅葉が続きます。
たとえば、以下のように時期ごとに楽しめるスポットがあります。
- 11月中旬~下旬:談山神社、長谷寺、正暦寺など、多くの名所がピークを迎える。
- 12月初旬:奈良公園や依水園、円成寺など、紅葉がやや遅れて見頃に。
ただし、12月に入ると落葉が始まる場所もあるため、訪問する際は見頃情報を確認することをおすすめします。
また、ライトアップイベントや特別拝観などの催しも、11月下旬を中心に開催されるため、観光とあわせて計画を立てやすい時期です。
10月下旬に見頃のスポット
10月下旬に見頃を迎える奈良の紅葉スポットは、主に標高が高く冷え込みが早い山間部に集中しています。
おすすめのスポット
- 大台ヶ原(上北山村)
標高1,500m以上の高地に広がる原生林で、ナナカマドやブナの赤や黄色が映えます。台風後などは通行規制がかかる場合があるため、事前確認が必要です。 - みたらい渓谷(天川村)
渓流沿いの遊歩道を歩きながら紅葉を楽しめる穴場スポット。清流と紅葉の組み合わせが美しいことで知られています。 - 吉野山(上千本エリア)
桜で有名な吉野山も、紅葉シーズンには山全体が赤く染まります。上千本付近は比較的早めに色づきが進み、10月下旬に見頃を迎えることが多いです。
この時期は、紅葉をいち早く楽しみたい方にとって絶好のタイミングといえます。
11月に見頃のスポット
奈良県の紅葉は、11月に最も多くの名所で見頃を迎えます。
特に中旬から下旬にかけては、県内の主要なスポットがピークとなり、色鮮やかな風景が広がります。
おすすめのスポット
- 談山神社(桜井市)
境内に立つ十三重塔と紅葉のコントラストが見事で、多くのカメラマンが訪れる名所です。例年11月中旬がピークです。 - 長谷寺(桜井市)
「西国三十三所」巡礼の札所でもある寺院で、境内から見下ろす紅葉の海が圧巻です。段差のある回廊が立体的な紅葉風景を演出します。 - 正暦寺(奈良市)
紅葉の名所として知られ「錦の里」とも称される寺院です。山間部に位置するため紅葉の発色が良く、11月中旬から下旬にかけてがベストシーズンです。
この時期は紅葉だけでなく、ライトアップや特別御朱印などのイベントも多く開催され、観光の楽しみが広がります。
12月に見頃のスポット
奈良では12月に入っても紅葉を楽しめるスポットがいくつか存在します。
とくに盆地エリアや日照時間の多い庭園などは、紅葉の進みがゆっくりなため、12月上旬でも色鮮やかな景色が残ります。
おすすめのスポット
- 奈良公園(奈良市)
広大な敷地にシカと紅葉が共存する風景が人気です。11月下旬から12月初旬にかけてが見頃で、特に浮見堂周辺が美しく染まります。 - 依水園(奈良市)
大和文化の粋を集めた日本庭園で、紅葉と池泉回遊式庭園のコラボが楽しめます。紅葉の時期は比較的遅めで、12月初旬まで観賞可能です。 - 円成寺(奈良市)
国宝の大日如来像で知られる古刹で、境内を囲む木々が紅に染まります。落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと紅葉を堪能したい方に向いています。
12月は人出が少し落ち着くため、混雑を避けて静かに紅葉を楽しみたい方におすすめです。
奈良の紅葉いつからいつまで?おすすめスポット

- 紅葉名所の見頃
- 紅葉穴場スポット
- 紅葉ライトアップスポット
- 紅葉おすすめコース
紅葉名所の見頃
奈良県内には、紅葉の名所として広く知られるスポットが数多くあります。
それぞれに見頃の時期や特徴が異なるため、訪問前に時期を確認しておくと安心です。
| スポット | 見頃時期 | エリア | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 大台ヶ原 | 10月中旬〜下旬 | 上北山村 | 奈良県内で最も早く紅葉が始まる高地。自然のスケールを感じられる絶景スポット。 |
| 吉野山 | 10月下旬〜11月中旬 | 吉野町 | 山全体が紅葉に包まれる。標高差により長期間楽しめるのが特徴。 |
| 談山神社 | 11月中旬 | 桜井市 | 十三重塔と紅葉の共演が美しい。紅葉祭りや夜間ライトアップもあり。 |
| 長谷寺 | 11月中旬〜下旬 | 桜井市 | 回廊から見下ろす紅葉が見事。境内全体が赤や黄色に染まる人気スポット。 |
| 奈良公園 | 11月下旬〜12月初旬 | 奈良市 | シカと紅葉の風景が人気。特に浮見堂周辺は写真スポットとして有名。 |
| 正暦寺 | 11月中旬〜下旬 | 奈良市 | 「錦の里」と称される紅葉の名所。混雑が少なく静かに鑑賞できる。 |
| 円成寺 | 11月中旬 | 奈良市郊外 | 国宝と紅葉の調和が美しい。落ち着いた雰囲気で拝観できる穴場。 |
| 興福寺 | 11月中旬〜下旬 | 奈良市 | 五重塔と紅葉のコントラストが印象的。奈良公園近くでアクセスも便利。 |
| 東大寺 | 11月中旬〜下旬 | 奈良市 | 大仏殿周辺や二月堂の紅葉が美しい。散策と紅葉の両方が楽しめる。 |
| 春日大社 | 11月中旬 | 奈良市 | 境内の朱色の社殿と紅葉が映える。神聖な空気とともに紅葉が堪能できる。 |
| 唐招提寺 | 11月中旬〜下旬 | 奈良市西部 | 国宝の金堂とモミジの組み合わせが見どころ。歴史ある静かな名所。 |
| 西大寺 | 11月中旬 | 奈良市 | 比較的知られていないが紅葉が美しい寺院。混雑少なく落ち着いて観賞できる。 |
| 岡寺 | 11月中旬〜下旬 | 明日香村 | 石段に沿って紅葉が広がる。夜間ライトアップも行われることがある。 |
| 壷阪寺 | 11月中旬 | 高取町 | 見晴らしの良い境内から広がる紅葉が美しい。観音像と紅葉のコントラストが映える。 |
| 室生寺 | 11月上旬〜中旬 | 宇陀市 | 五重塔と山間の紅葉が絶景。やや遠方だが訪れる価値あり。 |
| 法起寺 | 11月中旬 | 斑鳩町 | 三重塔と紅葉の風景が特徴。世界遺産にも登録されている静かな寺。 |
紅葉シーズン中は混雑が予想されるため、公共交通機関の利用や、平日の早朝訪問が比較的スムーズです。
紅葉穴場スポット
有名な名所に比べて混雑が少なく、ゆったりと紅葉を楽しめる穴場スポットも奈良には存在します。
人混みを避けて静かに紅葉を楽しみたい方におすすめです。
以下の3ヶ所は、紅葉の美しさに定評がありながらも、比較的落ち着いて巡れる場所です。
みたらい渓谷(天川村)
澄んだ渓流と岩肌を縫うように続く遊歩道が魅力のみたらい渓谷は、紅葉の穴場として知られています。
10月下旬から11月上旬にかけてが見頃で、カエデやブナが渓谷の両側から色づき、迫力ある自然美が堪能できます。
観光バスが入りにくく、ハイキングコースのため人が分散しやすいのも魅力。歩きやすい靴での訪問がおすすめです。
依水園(奈良市)
奈良公園の近くにありながら、落ち着いた空間を保つ日本庭園「依水園」は、紅葉の名所として密かに人気を集めています。
見頃は11月下旬から12月初旬で、庭園内の池や茶室と色づく木々が調和した風景は、静けさの中に趣を感じさせます。
入園料が必要なため人が集中しにくく、ゆったりと鑑賞したい方に向いています。
円成寺(奈良市)
円成寺は奈良市内でも特に落ち着いた雰囲気のある古刹で、紅葉と歴史的建造物を同時に楽しめる穴場です。
11月中旬が最も美しい時期で、本堂や庭園を囲む紅葉が訪れる人を迎えてくれます。
国宝の大日如来坐像を拝観できる文化的価値も高く、紅葉だけでなく心静かな時間を求める方におすすめです。
バス便は本数が少ないため、訪問計画は余裕を持って立てましょう。
どのスポットも紅葉のピークは11月中旬から下旬にかけてです。穴場とはいえ、土日は人出が増えるため、できれば平日に訪れるのが理想です。
紅葉ライトアップスポット
紅葉とライトアップの組み合わせは、日中とはまた違った幻想的な美しさを楽しめます。
奈良県内でも数カ所で紅葉のライトアップが実施されています。
主なライトアップスポット
- 長谷寺(桜井市)
「光の巡礼~和傘アート~」のライトアップが行われ、和傘の演出と紅葉の共演が幻想的です。期間は11月中旬から下旬にかけて開催。 - 談山神社(桜井市)
特別拝観とあわせて夜間ライトアップが行われます。歴史的建造物と紅葉の組み合わせは、写真映えにも優れています。 - 岡寺(明日香村)・壷阪寺(高取町)
「大和観音もみじ回廊」として紅葉ライトアップイベントを共同開催。複数寺院を巡る楽しみ方も可能です。
夜間の冷え込みに備えて防寒対策を忘れずに。また、ライトアップ開催期間が短いため、訪問前に公式情報の確認がおすすめです。

紅葉おすすめコース
紅葉を効率よく巡りたい方には、エリアごとにテーマをもった周遊コースを設定するのがおすすめです。
交通の便やイベント時期をふまえて、以下のようなコースを提案します。
① 奈良市内満喫コース(1日)
- 奈良公園 → 浮見堂 → 正暦寺 → 依水園
- 公共交通機関を使って無理なく巡れる市内中心部のコース。朝から夕方までで満喫できます。
② 山の辺の道〜寺社紅葉巡り(1泊2日)
- 長谷寺 → 岡寺 → 壷阪寺 → 談山神社
- 紅葉と御朱印、歴史建造物を楽しめるルート。「大和観音もみじ回廊」の時期と重なるとさらに充実します。
③ 大自然リフレッシュコース(1日)
- みたらい渓谷 → 天川村周辺
- アウトドア派向けの自然満喫ルート。車での移動が前提となりますが、混雑を避けやすいのが魅力です。
コース選びの際は、自分の体力や移動手段、紅葉の見頃状況をふまえて計画を立てましょう。
まとめ:奈良の紅葉いつからいつまで?のポイント
- 奈良の紅葉は例年10月下旬から色づき始める
- 山間部や標高の高い地域から紅葉が進む傾向がある
- 大台ヶ原は10月中旬から見頃を迎える早期スポット
- みたらい渓谷では渓流と紅葉の風景が楽しめる
- 吉野山は標高差があり紅葉期間が長い
- 平地の紅葉は11月に入ってからが本格化
- 奈良市中心部では11月中旬〜下旬がピーク
- 談山神社や長谷寺は11月中旬に紅葉が美しい
- 正暦寺は「錦の里」と称される紅葉の名所
- 奈良公園では11月下旬から12月初旬が見頃
- 依水園は12月初旬まで紅葉を楽しめる庭園
- 円成寺は国宝と紅葉の組み合わせが静かに堪能できる
- 紅葉は12月上旬まで一部地域で継続する
- ライトアップは11月中旬〜下旬に各地で実施される
- エリアごとのモデルコースを活用すると効率的に巡れる

